- 器3 -
厨二病注意




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目を覚ますとイオナが、「目が覚めましたか?従士様!」と
駆け寄ってきたことが分かった。

何が起きたか覚えていないが、彼女の顔を見て
どうやら自分はリフテンにいるということはわかった。

ヴィジランスもやっと目覚めた主人に尻尾を振って
顔をぺろぺろと舐め始めた。

自らが招いたボエシアの祠での惨劇。

意識がはっきりするにつれ、それは鮮明になり、
身体のあちこちが訴える鈍い痛み以上に、後悔と自らが負った業に
身体が押しつぶされそうになった。

ボエシアの祠からリフテンは、決して近い距離ではない。
なぜここにいるのかとイオナに聞くと

イオナ「申し訳ありません、わたくしもよくわらないのです。
     ただ、深夜、突然扉を叩く音がしましたので、何事かと思い扉を開いたら…
     ヴィジランスと血まみれの従士様が倒れていらっしゃいました。
     さすがにヴィジランスが引っ張ってきたというわけではないかと。
     ホントもうその後、大変だったんですからね!一体何があったんですか?!」

と思っていたことを全て言い終わると、彼女は定時のパン捕食活動始めた。

エルフは、祠での出来事を口にする事が出来ぬまま
睡魔に襲われ、再び深い眠りについた。



数日後、回復したエルフはリハビリと称して、ヴィジランスを伴って
リフテンの商店に赴いた。

イリアと共に共闘した際に得た戦利品を整理するためだ。

鍛冶屋のバリマンドは、気前良く買取をしてくれた。
宝飾品のマデシは、日ごろの感謝を口にした。
防具屋のグレルカも相変わらずのツンデレ具合で対応だ。


この街は何も変っていなかった。

変らない日常に、どこか虚無感を覚えたエルフは、
ふとすると襲い来る後悔の念から逃れようと、ビーアンドバルブに足を運んだ。

「またアンタなの!?」とキーラバに罵声を浴びせられながら、席に着くと
酒場の常連客たちの話し声を酒の肴にチビチビ始めた。

ケンカ腰の話もあれば、ひそひそとなにやら密談をするものもいる。
色恋話に花を咲かせる客。皆、誰かと話しをしていた。
時折、タレン・ジェイが話しかけては来たが、接客に忙しく話は長く続かなかった。

一人ぼっちの酒ほどつまらない物はない。
しかし、酒を飲む事で紛らわせることの出来るものもある。
故に酒が進んだ・・・。

結局、「身体に障るから、もう飲むな!」とタレン・ジェイに追い出される形になった。

渋々、店からフラフラになりながら出ようとすると、
ヴィジランスが尻尾を振って、扉の横に座る一人の男の下へ駆け寄っていった。
男はあっちいけという素振りで、ヴィジランスを追い払おうとしていたが
こちらの姿を見て、まずい所を見られた言わんばかりの苦笑いをしながら話しかけてきた。

男「よぉ!相変わらず、スカイリム中で散々暴れまわっているようだな!
  やっぱりオレの魔術が必要だということに気づいたか!」

エルフ「・・・ま、マーキュリオさん・・・」

マーキュリオ「どうだ!?たった500ゴールで最高の魔術が買えるぞ?」

エルフ「すぐだったらタダじゃないんですか?」

マーキュリオ「・・・おい。俺と別れてからドンだけ経ってると思ってるんだ?
         その話は、とっくに無効だ。もう一度、きっちり払ってもらわないと困る」

エルフ「・・・でも・・・・」

マーキュリオ「言っておくが、俺は最高の魔術師だ。あの女とは違う!」

エルフ「・・・・・・・うぅ・・・」

マーキュリオ「なぜ泣く!さーどうするんだ?こんな魔術師は、もういないぞ!
         今雇わんと明日はもうここにいないかも知れんぞ!?あーもう!行くぞ!」

エルフ「・・・え!?」

マーキュリオ「お前はこの世界の行く末を左右する今をときめくドヴァキン様だ。
         しかし、実際はどうだ?一人で雪山からも帰ってこれない上に、
         今は、自らが選択した結果を酒で紛らわせようとする臆病者。
         しかも、フラフラで家にすら帰れそうにもない心底みっともないく、
         手のかかるエルフ殿だ!」

あぁホントなんでこんな奴に長年、雇われてたんだとお手上げだという
ジェスチャーをしながら、マーキュリオは酔っ払ったエルフを抱えて店を出ようとした・・・

マーキュリオ「おっと、そうだ。」

そういうとマーキュリオは鎧に着替えると最後にアノ頭巾を取り出した。

エルフ「色々聞きたいことはあるんですが、それ・・・まだ、持ってたんですか・・・」

マーキュリオ「・・・なんか捨てられなくてな。とりあえず、金は後でちゃんと払ってもらうからな!」


スッポリと頭巾を被るとマーキュリオは、改めて雇い主となった
エルフを背負って、一路「ハニーサイド」へと共に帰宅したのだった。

エルフは、相変わらず語気の強い従者の背中に背負われながら、
自らが背負った業が少し軽くなった気がした。


コメント

ござ
2012年8月4日8:05

私は過去に従者にした事のある人物に声を掛けられるとすごーくやるせなくなる小心者ドヴァーキンですw

reijirou
2012年8月4日12:05

理不尽系クエストを避けて通ると面白そうな話が随分減るような気がするなぁ、、、



二周目は善人プレイ中ですw

菊の丞
2012年8月5日0:33

>ござさん
もしや、従者交代の裏側に、何か後ろめたいことが!?(笑)
あれか、「とっかえひっかえ!キー!弄んだわね」とことですか!

>reijirouさん
理不尽ではあるけれど、人間的な選択が求められるので、そこが面白いんですよね。
もうすでに2周目かー!未だにのらりくらりとやっています。
Lv38にして、やっとドーンスターに赴いたのんびりいやさんですwww

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